“めいばく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
冥邈33.3%
冥漠33.3%
溟漠33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
暮れんとする春の色の、嬋媛せんえんとして、しばらくは冥邈めいばくの戸口をまぼろしにいろどる中に、眼もむるほどの帯地おびじ金襴きんらんか。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
片鱗へんりん溌墨淋漓はつぼくりんりあいだに点じて、虬竜きゅうりょうかいを、楮毫ちょごうのほかに想像せしむるがごとく、芸術的に観じて申し分のない、空気と、あたたかみと、冥邈めいばくなる調子とをそなえている。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
知って、災と思わぬならば物凄ものすごい。黒い所が本来の住居すまいで、しばらくの幻影まぼろしを、もとのままなる冥漠めいばくうちに収めればこそ、かように間靚かんせいの態度で、あいだ逍遥しょうようしているのだろう。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
陶鮑の詩の句のは、或は望む可く、或は感知す可きもので、山澤より放散する氤氳いんうん溟漠めいばくたる氣を指して居る。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)