“むねがわら”の漢字の書き方と例文
語句割合
棟瓦100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ごとに万宝ばんぽうをちりばめてあおげば棟瓦むねがわらまでことごとく金箔きんぱく
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
棟瓦むねがわらをひらりとまたいで、高く、高く、雲の白きが、かすかに動いて、瑠璃色るりいろ澄渡すみわたった空を仰ぐ時は、あの、夕立の夜を思出おもいだす……そして、美しく清らかな母の懐にある幼児おさなごの身にあこがれた。
霰ふる (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あれ聞け……寂寞ひっそりとした一条廓ひとすじくるわの、棟瓦むねがわらにも響き転げる、わだちの音も留まるばかり、なだの浪を川に寄せて、千里のはても同じ水に、筑前の沖の月影を、白銀しろがねの糸で手繰ったように、星にきらめく唄の声。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)