“むかうがし”の漢字の書き方と例文
語句割合
向河岸100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
河を隔てゝ向河岸むかうがしにゐる百姓と話をする百姓の真似をする物真似である。その為方しかたは隣の室に隠れて、口の前に布団をあてゝ、精一ぱい大声を出して饒舌しやべるのである。
向河岸むかうがしへつくと急に思出おもひだして近所の菓子屋くわしやを探して土産みやげを買ひ今戸橋いまどばしを渡つて真直まつすぐな道をば自分ばかりは足許あしもとのたしかなつもりで、じつ大分だいぶふら/\しながら歩いて行つた。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
昼間歩いた向河岸むかうがしに当るへんは見物するのにい場所と見えて、人が多い。今夜は橋の上を通る人に立留たちどまることを許されない。また遊覧船を除いた外の船は皆岸に繋がれて居た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)