“ましょうめん”の漢字の書き方と例文
語句割合
真正面100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
其火を見ぬ様になったはよいが、真正面ましょうめんに彼が七本松と名づけてでゝ居た赤松が、大分伐られたのは、惜しかった。此等の傾斜を南に上りつめたおかいただきは、隣字の廻沢めぐりさわである。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
双方に気合きあいがないから、もう画としては、支離滅裂しりめつれつである。雑木林ぞうきばやしの入口で男は一度振り返った。女はあとをも見ぬ。すらすらと、こちらへ歩行あるいてくる。やがて余の真正面ましょうめんまで来て
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ちょうどわたしの真正面ましょうめんに坐った老人は、主人の弥三右衛門やそうえもんでしょう、何かこまかい唐草からくさの羽織に、じっと両腕を組んだまま、ほとんどよそ眼に見たのでは、釜のえ音でも聞いているようです。
報恩記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)