“まいしや”の漢字の書き方と例文
語句割合
昧者100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
りとて理を談ずるを聞くことだに能はざる世の昧者まいしやに、成心あらせじと願ひて、唯實を記したるのみを見て悟れといはむは、おそらくは難題ならむ。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
知者は三千里外にその臭を避け、昧者まいしやは一弾指間しかんにその毒にあたる。思ふに是泥黎でいり口業こうげふ羅貫中らくわんちう水滸伝すゐこでんを作つて、三生唖子さんせいあしを生むとせば、寿陵余子また骨董羹を書いて、そも如何いかん冥罰みやうばつをか受けん。
是れ昧者まいしや、初心者に向ひては談理の甲斐かひなからむとて、これを斥けむとする心をあらはしたるものにあらずや。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
私はかう信ずると共に、いさゝか自ら慰めた。然しながら其反面に於いて、私は父が時勢を洞察することの出来ぬ昧者まいしやであつた、おろかであつたと云ふことをも認めずにはゐられない。
津下四郎左衛門 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
丹羽君は備前の重臣で、三千石取つてゐた人である。それがかう云つた。四郎左衛門を昧者まいしやだと云つて責めるのは酷である。当時の日本は鎖国で、備前は又鎖国中の鎖国であつた。
津下四郎左衛門 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
分析の理論は昧者まいしやに益せずと。そが分身なる小羊子はいへらく。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)