“ほおば”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
頬張68.2%
朴歯29.4%
朴葉1.2%
煩張1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして悪魔あくまは、紳士がビールのコップを手にとって、ぐーっと飲んでるすきに、皿の中の料理をぺろりと頬張ほおばってしまいました。
不思議な帽子 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
木魚の音のポン/\たるを後に聞き朴歯ほおば木履ぼくりカラつかせて出で立つ。近辺の寺々いずこも参詣人多く花屋の店頭黄なる赤き菊蝦夷菊えぞぎくうずたかし。
半日ある記 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
塩の握飯むすびをくれとでも言って、今にも屋外そとから帰って来るような気がしますよ——わたしはあの塩の握飯の熱いやつを朴葉ほおばに包んで、よく子供にくれましたからね。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
もはやこう成ッてはおだやかに収まりそうもない。黙ッてもていられなくなッたから、お鍋は一とかたけ煩張ほおばッた飯を鵜呑うのみにして、「はッ、はッ」と笑ッた。同じ心に文三も「ヘ、ヘ」と笑ッた。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)