“ふじかずら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
藤葛87.5%
藤蔓12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
土地の人とはまるまる疎遠そえんでもなかった。若狭わかさ・越前などでは河原に風呂敷ふろしき油紙の小屋をけてしばらく住み、ことわりをいってその辺の竹や藤葛ふじかずらってわずかの工作をした。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
いなばの兎の話、鯛の喉から釣り針を取る海神わたつみの宮の話、藤葛ふじかずら衣褌きぬはかまや弓矢に花の咲く春山霞男はるやまのかすみおとこの話、玉が女に化するあめ日矛ひぼこの話、——これらを我々はお伽噺と呼び得ぬであろうか。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
しかし、長羅の頭首こうべは重く黙って横に振られた。彼の眼の向けられた彼方では、松明の一塊が火串ほぐし藤蔓ふじかずらを焼き切って、赤々と草の上へ崩れ落ちた。一疋の鹿は飛び上った。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)