“ひとひし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一拉66.7%
一挫33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
双方がにらみ合ってる中に、父の弟分なり乾児こぶんなりであった肴屋さかなやたつという六尺近くもある大男の豪のものが飛び出して、相手を一拉ひとひしぎにしたので
思はず後居しりいに腰を突く、ひざの上に真俯伏まうつぶせ、真白な両手を重ねて、わなゝくまげの根、うなじさへ、あざやかに見ゆる美人のえりを、が手ともなく無手むんずと取つて一拉ひとひしぎ。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
同時にオオッと、栴檀刀を大上段にかぶった河内房は、柄頭つかがしら兜巾ときんの辺りに止め、熒々けいけいたる双眼を新九郎の手元へあつめて、両腕の円のうちから隙もあらばただ一挫ひとひしぎにとにじり寄った。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)