“ひっきり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
間断73.3%
引切20.0%
引断6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
声の聞こえる部屋の隅へきっと葉之助は眼をやったが、笑い主の姿は見えぬ。しかし笑い声は間断ひっきりなしにヒ、ヒ、ヒ、ヒと聞こえて来る。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
引切ひっきりの無い人通りも、およそ途中で立停たちどまって、芸者の形を見物するのは、鰻屋うなぎやの前に脂気においぐ、奥州のお婆さんと同じ恥辱だ、という心得から、誰も知らぬ顔で行違う。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それでも安お召などを引張った芸者や、古着か何かの友禅縮緬ゆうぜんちりめん衣裳いしょうを来て、まだらに白粉おしろいをぬった半玉はんぎょくなどが、引断ひっきりなしに、部屋を出たり入ったりした。鼓や太鼓の音がのべつ陽気に聞えた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)