“ひいん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
庇蔭37.5%
碑陰12.5%
庇廕12.5%
悲引12.5%
秘陰12.5%
秘隠12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
仮初かりそめにも夫の意に逆うは不順なり、其醜行を咎むるは嫉妬なりと信じて、一切万事これを黙々に附し去るのみか、当の敵たる加害者の悪事を庇蔭ひいんして、却て自から婦人の美徳と認むるが如き
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
また、碑の正面は光圀の「嗚呼ああ忠臣楠子之墓ちゅうしんなんしのはか」の八文字でよいとしても碑陰ひいんの文がないのはさびしいといって、この事を老公に献言けんげんしたのも介三郎であった。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
年暮くれの十日ごろ、碑陰ひいんの文は彫りあがった。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
父棭斎は浅草に隠居した後も、しば/\湯島に往来して、懐之を庇廕ひいんすることを怠らなかつたであらう。此年乙未の秋には、其棭斎が歿したのである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
遠い、なつかしい気がする……仏さまが悲引ひいんなさるのだ……外は涼しい風が吹いているのだね。
出家とその弟子 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
さらば、秘陰ひいんをときあかしましょうか。……なんてほどの大したこっちゃアない。……ねえ、藤波さん、千賀春は、炭火毒すみどくにあたって死んだんですよ。……おやおや、あんぐりと口をあいて。
顎十郎捕物帳:06 三人目 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
われらのために人体の秘隠ひいんを説きあかしてくれられたが、その後、七十と何年、蘭方医おおよそ三百人、内外の末流に跼蹐きょくせきして、ただの一人も執刀術の勉強に身を挺したものがなかったというは
玉取物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)