庇蔭ひいん)” の例文
香以は贔屓の連中を組織して、荒磯連あらいそれんなづけ、その掟文おきてぶみと云うものを勝田諸持に書かせた。九代目の他日の成功は半香以の庇蔭ひいんったのである。
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
仮初かりそめにも夫の意に逆うは不順なり、其醜行を咎むるは嫉妬なりと信じて、一切万事これを黙々に附し去るのみか、当の敵たる加害者の悪事を庇蔭ひいんして、却て自から婦人の美徳と認むるが如き
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
日本長崎の出嶋にはおその国旗をひるがえして一日も地に下したることなきゆえ、荷蘭は日本の庇蔭ひいんに依り、建国以来かつて国脈を断絶したることなしとて、今に至るまで蘭人の記憶に存すとの談あり。