“はりさき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
針先25.0%
鈎尖25.0%
鉤先25.0%
鍼先25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いそいで、寝巻ねまきをジャンパーに着かえ、夜具を押し入れにしまいこむと、ぞんぶんに窓をあけた。風はなかったが、そとの空気が、針先はりさきをそろえたように、顔いっぱいにつきささった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
漁史は、錨綱を繰り放つ役、船頭は戕牁かしつつく役にて、前々夜、のお茶屋釣聖ちょうせいのかかりという、きりっぷの大巻きに鈎尖はりさきの漂う加減に舟を停めぬ。
大利根の大物釣 (新字新仮名) / 石井研堂(著)
また二間ばかりの竿では、此処ここでは鉤先はりさきが好い魚の廻るべきところに達しない。岸近きしぢかに廻るホソの小魚こざかなしかはりには来らぬであろう。
蘆声 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
手をきよめに前夜雨戸をあくれば、鍼先はりさきを吹っかくる様な水気すいきが面をって、あわてゝもぐり込む蒲団の中でも足の先がちぢこまる程いやにつめたい、と思うと明くる朝は武蔵野一面の霜だ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)