“はなき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
花木66.7%
花樹33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
とある年の秋の夕暮、われ独り南蛮寺の境内けいだいなる花木はなきの茂みを歩みつつ、同じく切支丹きりしたん宗門の門徒にして、さるやんごとなきあたりの夫人が、涙ながらの懺悔こひさんを思いめぐらし居たる事あり。
るしへる (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
瑞木みづき花木はなき此頃このごろ泣かなくつて。』
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
私が今日けふまたこんな物を書いて置かうと思ひましたのは、花樹はなき瑞樹みづきが学校へ草紙代や筆代で四十六銭づヽ持つてかねばならないと云ひまして
遺書 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
三郎が京の茅野ちのさんのところへ行つてからもう十五日になる、花樹はなき何時いつ行つたのであらうなどヽ考へながら私は引き離された双生児ふたご瑞樹みづき枕許まくらもとへ坐ります。
遺書 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
花樹はなき瑞樹みづきの二人が一緒に生れて来る前の私が、身体からだの苦しさ、心細さの日々にち/\に募るばかりの時で、あれを書かなければならなくなつたのだと覚えて居ます。
遺書 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)