“はたけみち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
圃路33.3%
畑径16.7%
畑徑16.7%
田圃道16.7%
畑道16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
吉野はブラリ/\と庭を抜けて、圃路はたけみちに出た。追駈ける様なうちの中の騒ぎの声の間々に、静かな麦畑の彼方かなたから水の音がする。やみを縫うて見え隠れに螢が流れる。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
二三日経つてからの事、為様事しやうことなしの松太郎はブラリと宿を出て、其処此処に赤い百合の花の咲いた畑径はたけみちを、唯一人東山へ登つて見た。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
この事あつて以来、松太郎は妙に気がソワついて来て、暇さへあれば、ブラリと懐手ふところでをして畑径はたけみちを歩く様になつた。わが歩いてる径の彼方から白手拭が見える、と、かれうホクホク嬉しくてならぬ。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
二三日經つてからの事、爲樣事なしの松太郎はブラリと宿を出て、其處此處に赤い百合の花の咲いた畑徑はたけみちを、唯一人東山へ登つて見た。
赤痢 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
この事あつて以來、松太郎は妙に氣がそはついて來て、暇さへあれば、ブラリと懷手をして畑徑はたけみちを歩く樣になつた。わが歩いてる徑の彼方から白手拭が見える。と、渠は既うホク/\嬉しくてならぬ。
赤痢 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
森の家から、何処へも寄らずに帰ってしまったらしい……と話していた。其処へ、ぼんやりとして令一が竿を引き摺りながら帰って来て、おあいの、もう田圃道はたけみちから帰ってしまったことを告げた。
凍える女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
田のなかで草をとっていたお百姓ひゃくしょうたちは、馬方うまかたのかげも見えないのに、たわらをつけた馬だけが、のこのこ、畑道はたけみちをあるいて行くうしろ姿すがたを、みんなふしぎそうに見送っていました。
たにしの出世 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)