“にゅうび”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
柔媚50.0%
乳糜50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その証拠には、さしも柔媚にゅうびにして狡猾な老猫も、少し首を振り出して来たようだ。蘆管の音律につれて、その首が左右に軽くゆれ出して来たようです。
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
献身的な妻と、柔媚にゅうびな山々の眺めと、充ち足りた生活に巡査は没入しきっていた。
霧の蕃社 (新字新仮名) / 中村地平(著)
あらゆる動物のうちに、猫だけがいけない。あいつに表情がない、愛嬌あいきょうが無い、おだてがかない、感激が無い——芸術がまるっきりわからない。猜疑さいぎのくせに柔媚にゅうびがある。
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
世尊せそんさえ成道じょうどうされる時には、牧牛ぼくぎゅう女難陀婆羅むすめなんだばらの、乳糜にゅうび供養くようを受けられたではないか? もしあの時空腹のまま、畢波羅樹下ひっぱらじゅかに坐っていられたら、第六天の魔王波旬はじゅん
俊寛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
悉達多は六年の苦行の後、菩提樹ぼだいじゅ下に正覚しょうがくに達した。彼の成道の伝説は如何に物質の精神を支配するかを語るものである。彼はまず水浴している。それから乳糜にゅうびを食している。
侏儒の言葉 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)