“とんちき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
頓痴奇36.4%
頓痴気36.4%
鈍痴漢9.1%
鈍的9.1%
頓知奇9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こんな無分別な頓痴奇とんちきを相手にしては吾輩の顔に係わるのみならず、引いて吾輩の毛並に関する訳だ。いくら、むずむずしたって我慢するよりほかに致し方はあるまい。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
氷見役人などはみな頓痴気とんちきだから、そりゃ、大変、で追いかける。……どのみち、ふたりに用はない。
顎十郎捕物帳:08 氷献上 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「本当にものの分らねえ鈍痴漢とんちきじゃねえか。うぬの気の利かねえことあ考えねえで、女を怨むッて法があるものか」
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
さほどの鈍的とんちきでもなかったが、天罰よ。先生の目をくらまして、売婦ばいたなんぞ引摺込む罰が当って、魔がしたんだ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
たわけた事を言いなさんな、ラザルスごとき頓知奇とんちきせがれが何で怖かろう、われらなどはあの家に二羽ある鶏を、昨夜一羽平らげ、只今また一羽頂戴ちょうだいまかり出るところだ