“とみざか”の漢字の書き方と例文
語句割合
富坂100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
思案入道殿のやかたに近い処、富坂とみざか辺に家居いえいした、礫川れきせん小学校の訓導で、三浜なぎさ女史である。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
親父おやじが死んでから春木町を去って小石川の富坂とみざかへ別居した。この富坂上の家というは満天星どうだん生垣いけがきめぐらしたすこぶる風雅な構えで、手狭てぜまであったが木口きぐちを選んだ凝った普請ふしんであった。
たとえば砲兵工廠ほうへいこうしょう煉瓦塀れんがべいにその片側を限られた小石川の富坂とみざかをばもう降尽おりつくそうという左側に一筋の溝川みぞかわがある。その流れに沿うて蒟蒻閻魔こんにゃくえんまの方へと曲って行く横町なぞすなわちその一例である。