“とくしゅ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
特種53.3%
特殊46.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
逸作が、他にむかっての欲望の表現はくどくないのだ。しかし、逸作の心に根を保っている逸作の特種とくしゅの欲望がある。逸作はそれを自分の内心に追求するにまない男だ。
かの女の朝 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
それを聞くと長吉は都会育ちの観劇者ばかりが経験する特種とくしゅの快感と特種の熱情とを覚えた。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
厭離一切娑婆世界おんりいっさいしゃばせかい厭世観えんせいかんは、ヘルンの多くの作品中に一貫いっかんして、その特殊とくしゅな文学情操の基調となってる。
緋おどし谷一たいは、ほとんど山百合やまゆりの花でうまっている。むしろ百合谷ゆりだにぶべきところだが、その盆地に特殊とくしゅな一部落ぶらくがあって、百合より名をなすゆえんとなっている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)