“でまる”の漢字の書き方と例文
語句割合
出丸100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一、二ノ曲輪くるわ妙見みょうけん出丸でまる、そのほかの諸将もみな一つに寄りかたまり、ここではかえって声もなく、ただ金剛全山の異様な敵のうごきに、ひとみをこらし合っていた。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ただし俳諧の方には北斎・崋山かざん暁斎ぎょうさい清親きよちかを経て、現在の漫画隆盛に到達したような閲歴は無く、人はただ発句ほっく出丸でまる籠城ろうじょうして、みずから変化の豊かなる世相描写を制限することになったが
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
どこにどんな裏切うらぎり者が鳴りをしずめているかも知れず、そいつらが、ほかさく木戸きど出丸でまるをやぶって、いっせいにさわぎだすと、いよいよ手におえなくなってしまいます
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
中庸ちゅうよう地相ちそうくるわをひかえ、梅沢うめざわのすそに出丸でまるをきずき、大丹波おおたんばには望楼ぼうろうをおき、多摩たま長流ちょうりゅうほりとして、沢井さわい二俣尾ふたまたお木戸きどをそなえれば、武蔵野原むさしのはらつる兵もめったに落とすことはできない
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)