“つくりいだ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
作出50.0%
造出50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
例へば北斎が描ける幽霊の図を批評するに当り、日本人の妄想もうそうが幽霊を作出つくりいだせし心理作用にまでさかのぼりて論究せんとするが如きは画論の以外にせたるものといふべし。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
太平の武士町人が声色せいしょくの快楽を追究してまざりし一時代のだいなる慾情はたちま遊廓ゆうかくと劇場とを完備せしめ、更に進んでこれを材料となせる文学音曲おんぎょく絵画等の特殊なる諸美術を作出つくりいだしぬ。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
月光のもとに劇場すでに閉ぢ行人こうじんようやまれならんとして、軒下なる用水おけのかげには犬眠り夜駕籠客を待つさまを描いておのずから広重独特の情趣を造出つくりいだせり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)