“たちおお”の漢字の書き方と例文
語句割合
立蔽100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
瞬く間に立蔽たちおおう、黒漆こくしつ屏風びょうぶ一万枚、電光いなびかりを開いて、風に流す竜巻たつまき馳掛はせかけた、その余波なごりが、松並木へも、大粒な雨ともろともに、ばらばらと、ふな沙魚はぜなどを降らせました。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一座の座頭ざがしらとなりて後も、舞台にはげしきはたらきしては、楽屋に倒れて、その弟子と、その妹と、その養うと、取縋り立蔽たちおおいて回生剤きつけを呑ませ呼びけたる、技芸の鍛錬積りたれば
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
二三人で捧げ持った気勢けはいがして、おんなの袖の香立蔽たちおおい、船に柱の用意があって、空を包んで、トンと据えたは、屋根船の屋根めいて、それも漆の塗のつや、星の如き唐草の蒔絵が散った。
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)