“そなれまつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
磯馴松91.7%
磯馳松8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
寿永四年五月、長門国ながとのくに壇の浦のゆうぐれ。あたりは一面の砂地にて、所々に磯馴松そなれまつの大樹あり。正面には海をへだてて文字ヶ関遠くみゆ。浪の音、水鳥の声。
平家蟹 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
月は裏山に照りながら海には一面にぼうもやかかって、粗い貝も見つからないので、所在なくて、背丈に倍ぐらいな磯馴松そなれまつ凭懸よりかかって、入海いりうみの空、遠く遥々はるばるはてしも知れない浪を見て
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
夢路を辿る心地して、瀧口は夜すがら馳せてやうやく着ける和歌の浦。見渡せば海原うなばらとほけぶりめて、月影ならで物もなく、濱千鳥聲絶えて、浦吹く風に音澄める磯馳松そなれまつ、波の響のみいと冴えたり。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)