“せいようま”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
西洋間66.7%
西洋室33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何だかそのぎょうあいだに妙子の西洋間せいようまが見えるような気がする。ピアノのふたに電燈の映った「わたしたちの巣」が見えるような気がする。……
或恋愛小説 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
俺は文化生活の必要をたてに、たった一つの日本間にほんまをもとうとう西洋間せいようまにしてしまった。こうすれば常子の目の前でも靴をがずにいられるからである。
馬の脚 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
あるいはまた西洋間せいようまの電燈の下に無言むごんの微笑ばかりわすこともある。女主人公はこの西洋間を「わたしたちの巣」と名づけている。壁にはルノアルやセザンヌの複製などもかかっている。
或恋愛小説 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
よたよたと歩くような跫音あしおとが聞えた。いよいよ何人たれかが入って来た。と、思っていると、今まで母屋おもや西洋室せいようまで寝ていた病人の伯爵の顔が見えた。
黄灯 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
左側に並んだへやには、どの室にも電燈が明るくいていた。廊下を左に折れ曲って往きあたると、西洋室せいようまになってドアが締っていた。書生はそれを開けて入り、隻手かたてドアを押え、隻手でまた手招きした。
黄灯 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)