西洋間せいようま)” の例文
何だかそのぎょうあいだに妙子の西洋間せいようまが見えるような気がする。ピアノのふたに電燈の映った「わたしたちの巣」が見えるような気がする。……
或恋愛小説 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
俺は文化生活の必要をたてに、たった一つの日本間にほんまをもとうとう西洋間せいようまにしてしまった。こうすれば常子の目の前でも靴をがずにいられるからである。
馬の脚 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
あるいはまた西洋間せいようまの電燈の下に無言むごんの微笑ばかりわすこともある。女主人公はこの西洋間を「わたしたちの巣」と名づけている。壁にはルノアルやセザンヌの複製などもかかっている。
或恋愛小説 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)