西洋室せいようま)” の例文
よたよたと歩くような跫音あしおとが聞えた。いよいよ何人たれかが入って来た。と、思っていると、今まで母屋おもや西洋室せいようまで寝ていた病人の伯爵の顔が見えた。
黄灯 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
左側に並んだへやには、どの室にも電燈が明るくいていた。廊下を左に折れ曲って往きあたると、西洋室せいようまになってドアが締っていた。書生はそれを開けて入り、隻手かたてドアを押え、隻手でまた手招きした。
黄灯 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)