“しらゆう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
白木綿66.7%
白綿33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と見ると往来には人気ひとけなく、あおあおと光がみなぎっている。月光の中に立っているのは、白木綿しらゆうのような真っ白の人物。余りに身長みたけが高いので、仰ぎ見なければならなかった。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
この短歌の意味は、相坂おうさか(逢坂)山を越えて、淡海おうみの湖水の見えるところに来ると、白木綿しらゆうで作った花のように白い浪が立っている、というので、大きい流動的な調子で歌っている。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
その人々の頭の上、二尺あまりもグンとぬきんで、巨大な白木綿しらゆうが歩いていた。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
元正げんしょう天皇、養老七年夏五月芳野離宮に行幸あった時、従駕の笠金村かさのかなむらが作った長歌の反歌である。「白木綿」はたえかじ(穀桑楮)の皮から作った白布、その白木綿しらゆうの如くに水の流れ落つる状態である。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
ここは京都二条通、辻に佇んだ一人の女、凜々りりとして説いている。年の頃は二十歳はたちぐらい、その姿は巫女、胸に円鏡をかけている。頭髪かみつかねて背中に垂らし、手に白綿しらゆうを持っている。
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)