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ごじやくねん
不審せらるゝ
御樣子是は尤も千萬なり
御筋目の儀は委敷
此伊賀より
御聽せ申べし
抑々天一樣御身分と申せば
當上樣未だ
御弱年にて紀州表御
家老加納將監方に御
部屋住にて
渡らせ給ひ徳太郎
信房君と申上し
折柄將監妻が
腰元の澤の井と申女中に
御不愍掛させられ澤の井殿
御胤を
云ふ
人かな
失禮ながら貴殿は未だ
御若年で有りながら御見請申せば
餘程の
逆上今の間に御療治なければ
行末御案事申なりと取ても付ぬ
挨拶に千太郎は身を