“こまぶえ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
狛笛50.0%
高麗笛50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そう思いながら、それでもまだ、かえる道をむなしく歩いていくことはおしそうに、狛笛こまぶえをとって、その歌口うたぐち湿しめしはじめる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、うしろの床の間から、朱塗しゅぬり狛笛こまぶえを取って、ここへ——という目でさしまねきました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
浜松城はままつじょうをでてまいりましたのはよいでしたが、とちゅう空でおそろしいきりにまかれ、やッといまごろここにきましたが、ここへくると、またどこかで狛笛こまぶえがしていたせいか
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
伊兵衛の狛笛こまぶえの一曲が終りますと、夜宴の無礼講ぶれいこうはここにくずれて、阿佐ヶ谷連中ののうがかりを皮切りに、赤い顔をならべた郷士たちが、野趣横溢やしゅおういつな武蔵野歌を手拍子でうたえば、珍しく
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのに促されたように左大臣は高麗笛こまぶえを持って来て源氏へ贈った。その笛も源氏は得意であったからおもしろく吹いた。
源氏物語:06 末摘花 (新字新仮名) / 紫式部(著)
お贈り物には、すぐれた名器の和琴を一つ、それに大臣の好む高麗笛こまぶえを添え、また紫檀したんの箱一つには唐本と日本の草書の書かれた本などを入れて、院は帰ろうとする大臣の車へお積ませになった。
源氏物語:34 若菜(上) (新字新仮名) / 紫式部(著)