“くるまよせ”の漢字の書き方と例文
語句割合
車寄100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
車寄くるまよせには、誰彼の参内の諸卿しょけい牛輦くるまが、雑鬧ざっとうしていた。舎人とねりや、牛飼たちが、口ぎたなく、あたりの下に争っている。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
肌着が汗になっていたけれども、甲斐はそのまま控えを出てゆき、車寄くるまよせのところで、茂庭主水に追いついた。
正面の車寄くるまよせには、まばゆいようなくるまが横についていた。慈円は、そこへはかからずに中門を勝手にあけ、ひろい坪のうちをあるいて東のおくの廻廊へだまって上がってゆく。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
はや車寄くるまよせには、随身たちがを揃えていた。つねの参内ならずとして、これも殿でん法印ほういんの用心か。屈強くっきょうなのが、供人ともびとの装いで、こぞッて、ながえの両わきにひざまずいている。
階前には、稚子ちごたちがそろう。牛飼は、小八葉こはちようの新しいくるまを、車寄くるまよせにひきだしていた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)