“くどやま”の漢字の書き方と例文
語句割合
九度山100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「あの山伏は、おそらく九度山くどやまの一類だろう。兜巾ときん白衣びゃくえ鎧甲よろいかぶとに着かえれば、何のなにがしと、相当な名のある古強者ふるつわものにちがいない」
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
九度山くどやまの真田幸村などは、そのゆうなるものであろう。幸村へは平時においても、大坂城の秀頼から、すくなからぬ金力が密かに送られていたという。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
豊家の遺孤いこを守って、徳川老大御所おおごしょの関東軍との義戦に、この一少年弁次郎が、いわゆる九度山くどやま隠者いんじゃ真田幸村として、大坂入城者の到着簿とうちゃくぼ第一にその名を見出す日があろうとは。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その両手と胴とを幾重にも巻いたいましめのひもは、この近郷で——いや近頃はかなり遠国まで知れて来た丈夫な木綿の平打紐ひらうちひもで、九度山くどやま紐とも、真田さなだ紐ともよばれ、製品の販路を拡げて歩く売子も
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とはいえ、そういう人物となると、仕官の先にも、ただろくばかりでなく、自身の目ざす働きばえに、望みを抱いているにちがいない。——案外、細川家よりの迎えよりも、九度山くどやまからのお迎えを
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)