“かごランプ”の漢字の書き方と例文
語句割合
籠洋燈100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ゆったりとすわって烟草たばこを二三服ふかしているうちに、黒塗くろぬりの膳は主人の前にえられた。水色の天具帖てんぐじょうで張られた籠洋燈かごランプ坐敷ざしきの中に置かれている。
太郎坊 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
枕許に心細く籠洋燈かごランプが消え残っていた。——自棄やけで、その晩、何としてもうちへ帰れないまゝ、平生ふだん贔負ひいきにしてくれる浅草の待合へころがりこんでしまった奴である……
春泥 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
梓は思わずおもてを背けた、火鉢の火は消えかかって籠洋燈かごランプの光も暗い、と見るとせたすすきと、しおれた女郎花おみなえしと、桔梗ききょうとが咲乱れて、黒雲空に、月は傾いて照らさんとも見えず
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一陣いちじんの風はさっとおこって籠洋燈かごランプの火をまたたきさせた。夜の涼しさは座敷に満ちた。
太郎坊 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)