“おんわかれ”の漢字の書き方と例文
語句割合
御別100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
返す返すもくやしき熱海の御別おんわかれの後の思、又いつぞや田鶴見たずみ子爵の邸内にて図らぬ御見致候ごけんいたしさふらふ而来このかたの胸の内、其後そののち途中とちゆうにて御変おんかは被成候なされさふらふ荒尾様あらをさま御目おんめに懸り、しみじみ御物語おんものがたり致候事いたしさふらふことなど
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
其節そのせつ御腹立おんはらだちも、罪ある身には元より覚悟の前とは申しながら、あまりとや本意無ほいな御別おんわかれに、いとど思はまささふらふて、帰りて後は頭痛つむりいたみ、胸裂むねさくるやうにて、夜の目も合はず、明る日よりは一層心地あし相成あひなり
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
惜き惜き此筆とどめかね候へども、いつの限無く手に致し居り候事もかながたく、折から四時の明近あけちかき油も尽き候て、手元暗く相成候ままはやはやこひしき御名をしたため候て、これまでの御別おんわかれと致しまゐらせ候。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)