“おんぎょう”の漢字の書き方と例文
語句割合
隠形100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
南蛮渡来の法術を使い遁甲とんこう隠形おんぎょう飛行ひぎょう自在、まだ弱冠の身でありながら、すで総帥そうすいの器を有し、数年前より御嶽山おんたけさん上にとりでを設けて武威を張る御嶽冠者みたけかじゃと申すお方!
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そこは放しがいよ。外にねぐらがないんですもの、もとの巣へ戻ると思うから平気なもの。それとも直ぐ帰れなんのって、つれに来れば、ちょっと、隠形おんぎょうの術を使うわ。——一座の花形ですもの。
女人にょにんに愛楽を生じたためしは、古今の聖者にもまれではない。大幻術の摩登伽女まとうぎゃにょには、阿難尊者あなんそんじゃさえ迷わせられた。竜樹菩薩りゅうじゅぼさつも在俗の時には、王宮の美人をぬすむために、隠形おんぎょうの術を修せられたそうじゃ。
俊寛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)