“おおざる”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
大笊80.0%
大猿20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
新造の銀行が、そこだけの覚醒した抜けめなさで臆面もなくごたごたした角に立っているかなたに、あかちゃけた大笊おおざるの形で、工廠の鉄骨が見晴せた。そちらから、九月も末の海の風が吹いて来た。
播州平野 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
くだん大笊おおざる円袖まるそで掻寄かきよせ、湖の水の星あかりに口を向けて、松虫まつむしなんぞをくすぐるやうにざるの底を、ぐわさ/\と爪で掻くと、手足を縮めてかいすくまつた、あかだらけのきたない屑屋が、ころりと出た。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
その中でいちばん大きい、猅猅ひひのようなかたち大猿おおざるを、しっかりとさえつけたまま、六部ろくぶもしっぺい太郎たろうたおれていました。
しっぺい太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)