“おおがまえ”の漢字の書き方と例文
語句割合
大構100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と思われないでもない——玄関の畳が冷く堅いような心持とに、屈託の腕をこまぬいて、そこともなく横町から通りへ出て、くだんの漬物屋の前を通ると、向う側がとある大構おおがまえの邸の黒板塀で
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
荒物屋のばばあはこの時分からせわしい商売がある、隣の医者がうちばかり昔の温泉宿ゆやど名残なごりとどめて、いたずらに大構おおがまえの癖に、昼も夜も寂莫せきばくとして物音も聞えず、その細君が図抜けて美しいといって
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
敷石のぱっとあかるい、静粛しんとしながらかすかなように、三味線さみせんが、チラチラ水の上を流れて聞える、一軒大構おおがまえの料理店の前を通って、三つ四つ軒燈籠の影に送られ、御神燈の灯に迎えられつつ
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)