“うすもや”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
薄靄93.5%
淡靄6.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
戸外そと朧夜おぼろよであった。月は薄絹におおわれたように、ものうく空を渡りつつあった。村々は薄靄うすもやかされ夢のように浮いていた。
土竜 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
忽然こつぜん薄靄うすもやを排して一大銀輪のヌッとずるを望むが如く、また千山万岳の重畳たる中に光明赫灼たる弥陀みだの山越を迎うる如き感を抱かしめた。
漁師りょうしの家でもあろうか。湖畔の家と家の間から見える水面には、茜色あかねいろ淡靄うすもやが立って、それも皆湯のように感じられる。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
アムリは入口の闇に漂っている淡靄うすもやの中で、次から次へと光って来る黄包車ワンポウツの車輪を眺めながら、笑っていった。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)