“あかとんぼ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
赤蜻蛉93.9%
赤蜻蜓4.1%
紅蜻蛉2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一廻りななめに見上げた、尾花おばなを分けて、稲の真日南まひなたへ——スッと低く飛んだ、赤蜻蛉あかとんぼを、かざしにして、小さな女のが、——また二人。
若菜のうち (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
嬉しいのうとよろこんでそのまま戸外おもてへ駈けいだし、珍らしゅう暖かい天気に浮かれて小竿こざお持ち、空に飛び交う赤蜻蜓あかとんぼはたいて取ろうとどこの町まで行ったやら、ああ考え込めば裁縫しごとも厭気になって来る
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
竹のまばら垣に藤豆の花の紫がほかほかと咲いて、そこらをスラスラと飛交わす紅蜻蛉あかとんぼの羽から、……いや、その羽に乗って、糸遊、陽炎かげろうという光ある幻影まぼろしが、春のたけなわなるごとく、浮いて遊ぶ。……
夫人利生記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)