紅蜻蛉あかとんぼ)” の例文
竹のまばら垣に藤豆の花の紫がほかほかと咲いて、そこらをスラスラと飛交わす紅蜻蛉あかとんぼの羽から、……いや、その羽に乗って、糸遊、陽炎かげろうという光ある幻影まぼろしが、春のたけなわなるごとく、浮いて遊ぶ。……
夫人利生記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)