『十三夜（じゅうさんや）：――マニラ籠城日記（――マニラろうじょうにっき）』

十二月七日。椰子の葉が風にゆれている。ブルー・バードの河岸はいつも見る同じ風景ではあったが、鳴りをしずめた自然の中にさえ無気味な影がちらついている。ブルー・バードの並木道へ出るとさすがに冬の気配が心にせまるようであった。空は青く雲のかげも見 …

著者	尾崎士郎
ジャンル	文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出	「中央公論」中央公論社、1944（昭和19）年4月
文字種別	新字新仮名
読書目安時間	約28分（500文字/分）
朗読目安時間	約47分（300文字/分）

作品に特徴的な語句

灯（ほ） 唆（け） 俄（にわ） 労（いたわ） 沸（たぎ） 狼狽（うろた） 乃至（ないし） 何時（いつ） 唯（ただ） 庇（かば） 昨夜（ゆうべ） 此処（ここ） 点（つ） 疾（と） 眴（めくば） 良人（おっと）

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