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霜柱
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しもばしら
ふりがな文庫
“
霜柱
(
しもばしら
)” の例文
そのそばに
生
(
は
)
えている
青木
(
あおき
)
の
葉
(
は
)
が
黒
(
くろ
)
ずんで、やはり
霜柱
(
しもばしら
)
のために
傷
(
いた
)
んで
葉
(
は
)
はだらりと
垂
(
た
)
れて、
力
(
ちから
)
なく
下
(
した
)
を
向
(
む
)
いているのでありました。
小さな草と太陽
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「上にもない——おや、變なことがあるぞ。畑をひどく荒してゐるが——。
霜柱
(
しもばしら
)
をこんなに
碎
(
くだ
)
いて、土を掘つて何處かへ運んだ樣子だ」
銭形平次捕物控:153 荒神箒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「御めっちの知った事じゃねえ。黙っていろ。うるせえや」と云いながら突然
後足
(
あとあし
)
で
霜柱
(
しもばしら
)
の
崩
(
くず
)
れた奴を吾輩の頭へばさりと
浴
(
あ
)
びせ掛ける。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
すると
静
(
しず
)
かに石は
真
(
ま
)
ん
中
(
なか
)
から二つにわれて、やがて
霜柱
(
しもばしら
)
がくずれるように、ぐさぐさといくつかに小さくわれていきました。
殺生石
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
霜柱
(
しもばしら
)
のくずれる音さえきこえそうな気がした。次郎は、しかし、あたりが静かであればあるほど、気がいらだつのだった。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
▼ もっと見る
朝のうちは
霜柱
(
しもばしら
)
が立つが、陽がのぼると相変らず春のようないい陽気。河岸ッぷちの空地の草の上に
陽炎
(
かげろう
)
がゆらめく。
顎十郎捕物帳:07 紙凧
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
冬
(
ふゆ
)
になると
霜柱
(
しもばしら
)
が
立
(
た
)
つので
庭
(
には
)
へはみんな
藁屑
(
わらくづ
)
だの
蕎麥幹
(
そばがら
)
だのが一
杯
(
ぱい
)
に
敷
(
し
)
かれる。それが
庭葢
(
にはぶた
)
である。
霜柱
(
しもばしら
)
が
庭
(
には
)
から
先
(
さき
)
の
桑畑
(
くはばたけ
)
にぐらり/\と
倒
(
たふ
)
れつゝある。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
翌朝
(
よくちょう
)
出入
(
でいり
)
の
鳶
(
とび
)
の者や、大工の
棟梁
(
とうりょう
)
、警察署からの出張員が来て、父が居間の縁側づたいに土足の跡を検査して行くと、丁度冬の
最中
(
もなか
)
、庭一面の
霜柱
(
しもばしら
)
を踏み砕いた
足痕
(
あしあと
)
で
狐
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
何という図太さだ! 何という「働く者」の図太さだ‼ 黄色い
朝暾
(
あさひ
)
のなかに音をたてて崩れてゆく
足許
(
あしもと
)
の
霜柱
(
しもばしら
)
をみつめながら、鷲尾は
呆然
(
ぼうぜん
)
とたちすくんでしまった。——
冬枯れ
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
蛙
(
かえる
)
たちのもぐっている土の上に、びゅうびゅうと北風がふいたり、
霜柱
(
しもばしら
)
が立ったりしました。
二ひきの蛙
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
小塚っ原は、
霜柱
(
しもばしら
)
で真っ白だった。然し、空は暗く、夜はまだ、明けるにだいぶ
間
(
ま
)
があった。
山浦清麿
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しろ/″\と
霜柱
(
しもばしら
)
のやうに
冷
(
つめ
)
たく
並
(
なら
)
んで、
硝子火屋
(
がらすほや
)
は、
崖
(
がけ
)
の
巖穴
(
いはあな
)
に
一
(
ひと
)
ツ
一
(
ひと
)
ツ
窓
(
まど
)
を
開
(
あ
)
けた
風情
(
ふぜい
)
に
見
(
み
)
えて、ばつたり、
燈
(
あかり
)
が
消
(
き
)
えたあとを、
目
(
め
)
の
屆
(
とゞ
)
く、どれも
是
(
これ
)
も、
靄
(
もや
)
を
噛
(
か
)
んで、
吸
(
す
)
ひ
溜
(
た
)
め
吸
(
す
)
ひ
溜
(
た
)
め
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
ところが、ある
霜柱
(
しもばしら
)
のたったつめたい朝でした。
狼森と笊森、盗森
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
炭屋
(
すみや
)
の
小僧
(
こぞう
)
さんが、
塀
(
へい
)
によりかかって、ぼんやりとひなたぼっこをしていました。
夜
(
よる
)
の
間
(
あいだ
)
に
降
(
お
)
りた
霜柱
(
しもばしら
)
が、
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
をうけて、しだいにとけています。
日の当たる門
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それから
一直線
(
いつちよくせん
)
に
降
(
お
)
りて、
丁度
(
ちやうど
)
自分
(
じぶん
)
の
立
(
た
)
つてゐる
縁鼻
(
えんばな
)
の
土
(
つち
)
が、
霜柱
(
しもばしら
)
を
摧
(
くだ
)
いた
樣
(
やう
)
に
荒
(
あ
)
れてゐた。
宗助
(
そうすけ
)
は
大
(
おほ
)
きな
犬
(
いぬ
)
でも
上
(
うへ
)
から
轉
(
ころ
)
がり
落
(
お
)
ちたのぢやなからうかと
思
(
おも
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「水はないが、井戸の中に眞新らしい土がうんとあるぜ。——石も投り込んであるやうだ。あの土に
霜柱
(
しもばしら
)
の
碎
(
くだ
)
けたのが交つて、石に血が付いてゐると大變なことになるが——」
銭形平次捕物控:153 荒神箒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
見れば、えりもとから
鬢
(
びん
)
の
毛
(
け
)
に、
霜柱
(
しもばしら
)
が
植
(
う
)
わったように、
無数
(
むすう
)
の
針
(
はり
)
が
指
(
ゆび
)
にさわった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
霜柱
(
しもばしら
)
の
立
(
たつ
)
てる
小徑
(
こみち
)
を
南
(
みなみ
)
へ
行
(
い
)
つた。
昨夜
(
ゆうべ
)
遲
(
おそ
)
かつたことやら
何
(
なに
)
やら
噺
(
はなし
)
をして
暇
(
ひま
)
どつた。
庭先
(
にはさき
)
から
續
(
つゞ
)
く
小
(
ちひ
)
さな
桑畑
(
くはばたけ
)
の
向
(
むかふ
)
に
家
(
いへ
)
が
見
(
み
)
えるので、
平生
(
へいぜい
)
それを
勘次
(
かんじ
)
の
家
(
いへ
)
でも
唯
(
たゞ
)
南
(
みなみ
)
とのみいつて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
日
(
ひ
)
にまし、あたたかになって、いままで、
霜柱
(
しもばしら
)
が
白
(
しろ
)
く、
堅
(
かた
)
く
結
(
むす
)
んでいた、
庭
(
にわ
)
の
黒土
(
くろつち
)
が
柔
(
やわ
)
らかにほぐれて、
下
(
した
)
から、いろいろの
草
(
くさ
)
が
芽
(
め
)
を
出
(
だ
)
してきました。
さまざまな生い立ち
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
帰りに例の
茶園
(
ちゃえん
)
を通り抜けようと思って
霜柱
(
しもばしら
)
の
融
(
と
)
けかかったのを踏みつけながら
建仁寺
(
けんにんじ
)
の
崩
(
くず
)
れから顔を出すとまた車屋の黒が枯菊の上に
背
(
せ
)
を山にして
欠伸
(
あくび
)
をしている。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一箇所
霜柱
(
しもばしら
)
の碎けたところを見ると、其處へ棒を立てかけて、左右前後から見廻して居りましたが、やがて木戸を押しあけて庭へ入ると、丁度奧の部屋の前あたりにピタリと立ち止りました。
銭形平次捕物控:060 蝉丸の香爐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
寒
(
さむ
)
い、
寒
(
さむ
)
い
天気
(
てんき
)
の
日
(
ひ
)
などは、
朝
(
あさ
)
から
晩
(
ばん
)
まで、その
霜柱
(
しもばしら
)
が
解
(
と
)
けずに、ちょうど六
方
(
ぽう
)
石
(
せき
)
のように、また
塩
(
しお
)
の
結晶
(
けっしょう
)
したように、
美
(
うつく
)
しく
光
(
ひか
)
っていることがありました。
小さな草と太陽
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
顋
(
あご
)
のあたりに
利刃
(
りじん
)
がひらめく時分にはごりごり、ごりごりと
霜柱
(
しもばしら
)
を踏みつけるような怪しい声が出た。しかも本人は日本一の手腕を有する親方をもって自任している。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
けれど、
春
(
はる
)
になりますと、いつしか
霜柱
(
しもばしら
)
が
立
(
た
)
たなくなりました。そして、一
時
(
じ
)
は、ふくれあがって、
痛々
(
いたいた
)
しそうに
見
(
み
)
えた
土
(
つち
)
までが、しっとり
湿
(
しめ
)
っておちついていました。
小さな草と太陽
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
外
(
そと
)
には
寒
(
さむ
)
い
風
(
かぜ
)
が
吹
(
ふ
)
いています。
星
(
ほし
)
がきらきらと
枯
(
か
)
れた
林
(
はやし
)
のいただきに
輝
(
かがや
)
いて、あたりは一
面
(
めん
)
に
真
(
ま
)
っ
白
(
しろ
)
に
霜
(
しも
)
が
降
(
お
)
りていました。
天使
(
てんし
)
は
見
(
み
)
るもいたいたしげに、
素跣
(
すはだし
)
で
霜柱
(
しもばしら
)
を
踏
(
ふ
)
んでいたのであります。
いいおじいさんの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“霜柱”の解説
霜柱(しもばしら)とは、冬季など氷点下になる時に、地中の水分が毛細管現象(毛管現象)によって地表にしみ出して柱状に凍結したものである。
霜柱は地中にある液体の水が凍ってできたものであり、空気中の水蒸気が昇華して凍った霜(しも)とは別の現象である。
(出典:Wikipedia)
霜
常用漢字
中学
部首:⾬
17画
柱
常用漢字
小3
部首:⽊
9画
“霜”で始まる語句
霜
霜月
霜夜
霜解
霜枯
霜降
霜葉
霜除
霜焼
霜燒