詩人しじん)” の例文
あるとき王さまは、この村のそばを通りかかりましたが、ハンスがこの村にいると聞いて、わざわざ、この名高い詩人しじんに、あいにこられました。
丘の銅像 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
鋳像家ちうざうかわざに、ほとけあかゞねるであらう。彫刻師てうこくしのみに、かみきざむであらう。が、ひとをんな、あの華繊きやしやな、衣絵きぬゑさんを、詩人しじん煩悩ぼんなうるのである。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それから、すでに幾万年いくまんねんかたちましたけれど、ほしはな小鳥ことりは、人々ひとびとからあいせられ、詩人しじんからうたわれています。
王さまの感心された話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
つく/″\見て居る内に、英国の発狂はっきょう詩人しじんワットソンの God comes down in the rain 神は雨にてくだり玉う、と云う句を不図ふとおもい出した。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
法科ほうかなんだけれど、まるで文学部ぶんがくぶの学生のように、詩人しじんだよ。天文学てんもんがくが、とても、すきらしいんだ。いつか、ほしはなしでもきいてみたまえ。いろいろ、おもしろいはなしをしてくれるよ。
ラクダイ横町 (新字新仮名) / 岡本良雄(著)
やがて、詩人しじんヴィクトル・リュドベルイの胸像きょうぞうのある、公園こうえんの上にきました。公園の中はひっそりとしていて、高い木々の下には、散歩さんぽをしている人の姿も見うけられませんでした。
文藝ぶんげいにも哲學てつがくにもゑんのない彼等かれらは、このあぢつくしながら、自分じぶん自分じぶん状態じやうたい得意とくいがつて自覺じかくするほど知識ちしきたなかつたから、おな境遇きやうぐうにある詩人しじん文人ぶんじんなどよりも、一層いつそう純粹じゆんすゐであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
たとひデカダンスの詩人だつたとしても、僕は決してかう云ふ町裏を徘徊はいくわいする気にはならなかつたであらう。けれども明治時代の諷刺ふうし詩人しじん斎藤緑雨さいとうりよくうは十二階に悪趣味そのものを見いだしてゐた。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
わたし当代とうだい花形作家はなかたさくかかつ詩人しじんであるところのSそばつてつた。
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
けれどきみたちは金持かねもちや、金持かねもち味方みかた詩人しじんやまたそいつらといつしよに貧乏人びんぼふにん馬鹿ばかにしてゐるやつらのやうに、このおぢさんの童謠うたを一も二もなく、あたまからバカにし、惡口わるくちなんかはないだらう。
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
恋と云はじそのまぼろしのあまき夢詩人しじんもありき画だくみもありき
みだれ髪 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
休道詩人無艶分 なか詩人しじん艶分えんぶんしと
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
詩人しじんこれでは、鍛冶屋かじや職人しよくにん宛如さながらだ。が、そにる、る、りつゝあるはなんであらう。没薬もつやくたんしゆかうぎよく砂金さきんるゐではない。蝦蟇がまあぶらでもない。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「あれはハンスといってな、わしのおじいさまのおじいさまが生きてござらっしゃったときより、もっといぜんに、村に住んでいらっしゃった、えらい詩人しじんじゃ。」
丘の銅像 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
しかし、れいちゃんは、詩人しじんよ。詩人しじんは、書物しょもつからでなく、自然しぜんからまなぶというはなし
金歯 (新字新仮名) / 小川未明(著)
勿論もちろん大久保おほくぼにも詩人しじんらしい空想くうさうがあつた。
彼女の周囲 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
僧正そうじやうともあるべきが、をんなのために詩人しじんつたんだとね。玉茗ぎよくめいふのは日本橋室町にほんばしむろまち葉茶屋はぢやや若旦那わかだんなだとさ。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
はじめ、詩人しじんハンスであった銅像どうぞうは、医者のヘンデル先生にかわり、つぎは軍人ぐんじんのペテロにかわり、つぎには、おそろしい強盗ごうとうにかわり、ついには、とけて七つのかねになりました。
丘の銅像 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
博士はかせは、古墳こふん発掘はっくつをてつだってくれた役場やくばわか書記しょきにしろ、学校がっこう先生せんせいにしろ、はなしいていると、みんなわかひとたちは詩人しじんであって、物質ぶっしつだけをたよりとしていない、そのことは
うずめられた鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
……真夜中まよなかに、色沢いろつやのわるい、ほゝせた詩人しじん一人ひとりばかりかゞやかしてじつる。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
(このはなしをしたひとは、べつに文章ぶんしょうや、うたつくらないが、詩人しじんでありました。)
らんの花 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ふえきこえずや、あはれのあたりにわか詩人しじんめる、うつくしき學士がくしやあると、をりからのもりほしのゆかしかりしを、いまわすれず。さればゆかしさに、あへ岡燒をかやきをせずしてをつくる。
森の紫陽花 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
研究室けんきゅうしつにつとめている助手じょしゅ小田おださんは、また青年詩人せいねんしじんでもありました。詩人しじんなればこそ、幾世紀前いくせいきまえ人間生活にんげんせいかつ興味きょうみをもち、こころうつくしく想像そうぞうし、また、あこがれもしたのでありましょう。
うずめられた鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「むかしは、かがみおんなのたましいともいいましたから、これには、たましいが、はいっているのかもしれませんね。」と、さすがに小田おださんは、詩人しじんらしい感想かんそうをもらして、うけとったかがみ
うずめられた鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしかんがえるに、そのむすめは、詩人しじんというものじゃ。宝石ほうせきよりそらほしうつくしいとは、いまどきには、めずらしい高潔こうけつ思想しそうじゃ。平常ふだんしずんでいるのも、ものをいわないのもよくわかるようながする。
笑わない娘 (新字新仮名) / 小川未明(著)
たしかに詩人しじんになられる素質そしつがあるようだ。
笑わない娘 (新字新仮名) / 小川未明(著)