砂地すなじ)” の例文
ガンたちは、うんよく、けわしい絶壁ぜっぺきの下に、みんながいられるくらいの砂地すなじを見つけました。前には川がゴウゴウと流れています。
あねは、使つかいのおとこにつれられて、いかめしい馬車ばしゃりました。馬車ばしゃは、ひづめのおと砂地すなじうえにたてて、日暮ひぐがたそらしたをかなたにりました。
港に着いた黒んぼ (新字新仮名) / 小川未明(著)
がさがさした砂地すなじの高原で、風にふきたわめられたやせ木立ちが、所どころひょろひょろと、いじけてよじくれたえだをのばしているありさまだった。
彼はいかにして砂地すなじを田園に化せしか、いかにして沼地の水をはらいしか、いかにして磽地いしじひらいて果園を作りしか、これ植林に劣らぬ面白き物語ものがたりであります。
またいくども、ひろい試合場しあいじょう砂地すなじや、自分たちの顔に、その偉大いだい怪影かいえい太陽たいようをかすめるごとに、とおりのようなかげを投げていたのも、まったく知らずにいた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
艇はその間にだんだん下降して、とうとう真白な砂地すなじにザザーと砂煙りをあげながら着陸した。
月世界探険記 (新字新仮名) / 海野十三(著)
乾燥地かんそうちすなはち岩地いはち砂地すなじ水分すいぶんすくないところでは、植物しよくぶつ澤山たくさんむらがつてえることが出來できなくてそここゝと岩石地がんせきちをおろし、かぜつよいのでにへばりついてをり
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
いつしか、はまったくれてしまって、砂地すなじうえは、しっとりと湿しめふくみ、よるそらいろは、あいながしたようにこくなって、ほしひかりがきらきらとまたたきました。
港に着いた黒んぼ (新字新仮名) / 小川未明(著)
草本帶そうほんたいには、乾燥かんそうしたところにえる植物しよくぶつ、すなはち『乾生かんせい』のものと、濕氣しつきのあるところにえる『濕生しつせい』のものとの區別くべつがあつて、前者ぜんしや岩石がんせき砂地すなじ乾燥かんそうした場所ばしよ
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
ほのぐら宵闇よいやみのそこから、躑躅つつじさきほりの流れは、だんだん透明とうめいぎだされてきた。ひとみをこらしてのぞきこむと、にねむるうおのかげも、そこ砂地すなじへうつってみえるかと思う。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ちょうど砂地すなじに大雨が降ると、たちまち水が地中深くみこんでいくようなものさ
そこでかれはわたしに説明せつめいしてくれた。砂地すなじ沼沢しょうたくか多いランド地方の人は、沼地ぬまちを歩くとき水にぬれないように、竹馬に乗って歩くというのであった。なんてわたしはばかだったのであろう。
わたしは、先刻さっきから、おまえさんがさがしているのをていたが、なぜそんな砂地すなじなどをあちこちとあるきまわって、つかりもしないのに、などをさがしているのですか。
汽車の中のくまと鶏 (新字新仮名) / 小川未明(著)
彼は、燻精の手をとらんばかりにして、彼を砂地すなじの上に立つ古城こじょうへ連れていった。
このたい樹木じゆもくは、櫧帶かしたいといふほどかし、しひなど常緑濶葉樹じようりよくかつようじゆがおもにそだち、海岸かいがん潮風しほかぜつよ砂地すなじには、よくくろまつがえ、南部なんぶにはくすのきがおほえて暖國的だんこくてき氣分きぶんをたゞよはせてゐます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)