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よ
ふりがな文庫
“
止
(
よ
)” の例文
小学校のほうはお
止
(
よ
)
しになって、いまは、あちこちの、家庭教師をしながら、のんきに暮していらっしゃるというお話でありました。
千代女
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「遅いからもう
止
(
よ
)
そうと断りましたが、多の市さんは
依怙地
(
いこじ
)
な方で、こんな大雪にわざわざ来たんだからと、無理に入り込んで——」
銭形平次捕物控:117 雪の夜
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
何
(
なん
)
となく
心配
(
しんぱい
)
さうな
顏
(
かほ
)
で、
左樣々々
(
さやう/\
)
、
々々
(
/\
)
、と、
打濕
(
うちしめ
)
つて
云
(
い
)
つてるかと
思
(
おも
)
ふと、やれヴオツカを
止
(
よ
)
せの、
麥酒
(
ビール
)
を
止
(
や
)
めろのと
勸
(
すゝめ
)
初
(
はじ
)
める。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「いや、
止
(
よ
)
しにして呉れ、花がお前のものなら、幾ら見たつて面白くない。自分のものにして初めて
熟々
(
つく/″\
)
と見てゐられるのだから。」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
だから、つまらんことは
止
(
よ
)
せと云ふんだ。僕は、かう見えて、センチメンタルなことは嫌ひな男だ。死なしていゝものなら死なせるさ。
命を弄ぶ男ふたり(一幕)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
▼ もっと見る
柳沢、そんなことをいって僕の居ない時に梓君を
苛
(
いじ
)
めるのか、
止
(
よ
)
せ。
可
(
い
)
いよ、待て、まあ、僕のいうことを、今君のいうごとくんばだ。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「そうさ、お前に任したのだから……ところで
母上
(
おっか
)
さんが見えたら
最早
(
もう
)
下宿屋は
止
(
よ
)
して一所になって下さいと言ってみようじゃないか」
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
伸太郎
止
(
よ
)
そう。過ぎた話だ。古い古い、昔のおとぎ話だ。(立上って)栄二の奴、今頃、どこで何をしていやがるのか……。(入る)
女の一生
(新字新仮名)
/
森本薫
(著)
え? 「モナコの岸」? マアセル? このマアセルか。
止
(
よ
)
せよジョウジ、冗談じゃあねえぜ。
此女
(
これ
)
あお
前
(
めえ
)
、俺んとこの
嚊
(
かかあ
)
じゃねえか。
踊る地平線:06 ノウトルダムの妖怪
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
「はは、判った。お前は
彼
(
あ
)
の市郎に惚れているのだろう。
無効
(
だめ
)
だからお
止
(
よ
)
しよ。
先方
(
むこう
)
じゃアお前を嫌い抜いているのだから……。」
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
あなたは探偵のやるような仕事に興味を
有
(
も
)
っておいでだって。それでね、ついとんでもない事を御願いして。
止
(
よ
)
しゃあよかった……
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と、ひとり
合点
(
がてん
)
をして泣き虫の蛾次郎、
止
(
よ
)
せばよいのに
性懲
(
しょうこ
)
りもなく、また
悪戯心
(
いたずらごころ
)
をおこして、竹童の後からピタピタとついていった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それでは、おもしろくないから
止
(
よ
)
そうというひとがあるかもしれないし、また、それでもよいと思って
留
(
とど
)
まる方もあるだろうと思います。
衰えてきた日本料理は救わねばならぬ
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
「一緒に生活しているものが、そんな嫌なことをするのは、あたしがするのも同然、気味悪いわ。
止
(
よ
)
して頂戴! 止して頂戴!」
唇草
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
年よった悪魔はこの手段を
止
(
よ
)
す
外
(
ほか
)
ありませんでした。兵隊を使ったんじゃ、とてもイワンを取っちめることは出来ませんでした。
イワンの馬鹿
(新字新仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
一体、「世界とは」とか「人生とは」とか、そんなおおざっぱなものの言い方は
止
(
よ
)
した方がいいね。第一、
羞
(
はずか
)
しいとは思わないのかなあ。
狼疾記
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
が、もう
止
(
よ
)
しときましょう。あなたはイギリス人だ。だからそんなことは別問題です。どうか、ほんのちょっと、そこで待ってて下さい。
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
ところがある日私がその家を訪ねて続きを見せろといったらもう
止
(
よ
)
したといって淋しそうな顔をした。それは惜しいではないか。
愛と認識との出発
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
一条の滝があつて、その茶店でまた
麦酒
(
ビイル
)
をひつかけてゐると、
止
(
よ
)
せばいいのに小せんが、でて来た大きな
蟇蛙
(
がまがへる
)
へ石をぶつけた。
落語家温泉録
(新字旧仮名)
/
正岡容
(著)
「なに、五十銭銀貨を落したって。そそっかしい子供だなあ。小父さんが五十銭出して上げるから、縁の下に潜るのはお
止
(
よ
)
し」
贋紙幣事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
源吉は途中で
止
(
よ
)
すと、勝をうながして、今來た道をもどつた。半町位來て又林の中に入つた。それから、源吉は立ちどまると
防雪林
(旧字旧仮名)
/
小林多喜二
(著)
「僕はもう三高を
止
(
よ
)
す」と言い、理由を訊かれたので、落第すれば秀英塾では給費を断る規定になっているのだと、説明した。
青春の逆説
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
彼はその村の呉服屋の
息子
(
むすこ
)
だった。彼は病気のために中学校を途中で
止
(
よ
)
して、こんな
田舎
(
いなか
)
に
引籠
(
ひきこも
)
って、講義録などをたよりに独学していた。
麦藁帽子
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
無駄
(
むだ
)
な探し物ですけれど、お
止
(
よ
)
しなさいと止めだてする気も起らず、余りのことに涙ぐんで、兄のうしろ姿をじっと眺めていたものですよ。
押絵と旅する男
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「貴女の『彼女』は予想以上の成功ですし、中途でなんか
止
(
よ
)
したくないだろうな。さっき、久能さんが、賞めていましたよ。」
貞操問答
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
にんじん——じゃ、学校のほうを
止
(
よ
)
そう。寮を出しておくれよ。お金がかかりすぎるとでもいってさ。そうすりゃ、僕、何か職業を選ぶよ。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
「まあ、人の噂も七十五日ッて言いますから、今に何処かへ消えちまう時もまいりましょう——もうこんな話は
止
(
よ
)
しましょう」
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「なにを
吐
(
ぬ
)
かす、うぬこそ裾っぱりで
灰汁
(
あく
)
のえごい、ひっ
限
(
き
)
りなしで後せがみで、飽くことなしの
止
(
よ
)
すとき知らず、夜昼なしの十二
刻
(
とき
)
あまだ」
若殿女難記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「なに大丈夫です。相済みません。これからもう酒はきっぱり
止
(
よ
)
しちまいます。全くです。……おい良助、お前もな、しっかり勉強しなよ。」
田原氏の犯罪
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
あの11の単葉なら
止
(
よ
)
せ。君は赴任
匆々
(
そうそう
)
だから知るまいが、アイツは今までに二度も搭乗者が空中で行方不明になったんだ。
怪夢
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
そして僕は今、こうして君たちと一緒になってこんな仕事をしているが、いつ、いや明日にでも社を
止
(
よ
)
すかも知れないんだ。
六月
(新字新仮名)
/
相馬泰三
(著)
「あたし自分でもどうしていいか分らないで、迷っているのよ。あなたが
止
(
よ
)
せと云って下されば今のうちなら止せるんです」
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
またかれらは死にに行くようなものだから
止
(
よ
)
せといって
止
(
と
)
めるに違いないけれどもそれでは大切の原書に
依
(
よ
)
って仏法を研究することが出来ない。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
番「旦那様が中へ入って下されば宜しゅうございますが、
若
(
も
)
し
貴方
(
あなた
)
の御迷惑になるといけませんから、お
止
(
よ
)
しなすった方が宜しゅうございます」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「定さん。蒲田にいた事があるのか。」と清岡はコップを片手に定子の顔を
斜
(
ななめ
)
に見上げながら、「どうして
止
(
よ
)
したんだ。」
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
だが
親方
(
おやかた
)
、
悪
(
わる
)
いこたァいわないから、
滅多
(
めった
)
に
戸
(
と
)
を
開
(
あ
)
けるなァお
止
(
よ
)
しなさいよ。そこを
開
(
あ
)
けた
日
(
ひ
)
にゃ、それこそ
生皮
(
なまかわ
)
の
匂
(
におい
)
で、
隣近所
(
となりきんじょ
)
は
大迷惑
(
おおめいわく
)
だわな
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
僕の隣の部屋へ一月前から移つて来たピエルと云ふ青年は地方官の息子だが、女の為に
巴里
(
パリイ
)
の大学を中途で
止
(
よ
)
して
親父
(
おやぢ
)
の
仕送
(
しおくり
)
で遊んで居る男だ。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
心に泛ぶこともないので、明日からは
断々乎
(
だんだんこ
)
として訪問を
止
(
よ
)
そうと、私は
頻
(
しき
)
りに
其
(
そ
)
の
愉
(
たの
)
しさを思いはじめるのであった。
母
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
湯呑
(
ゆのみ
)
の
獅子
(
しし
)
の尾にこの赤を使ってあったが、余り立派なので、買いたくて
耐
(
たま
)
らなかったが、五円いくらというので、
止
(
よ
)
して帰ったのを覚えている。
九谷焼
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
ところがトムさんが働きに出かけますが、ものの一時間も経たぬうちに、さつさと仕事を
止
(
よ
)
して帰つてきてしまひます。
小熊秀雄全集-14:童話集
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
私どうしても
止
(
よ
)
しません。それも私いつもの通りに續けます。今までの
慣例
(
ならはし
)
どほり私は終日お妨げしないやうにします。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
が、それも力抜けがして中途で
止
(
よ
)
してしまった。彼は重味のとれた
怠惰
(
たいだ
)
な気持ちでぼんやり庭の
白躑躅
(
しろつつじ
)
を眺めていた。
御身
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
「おい、仏頂寺、
止
(
よ
)
せよ、冗談は止せよ、第一、この俺が迷惑するではないか、宇津木、君も刀を引いた方がいいぜ」
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
『お父ちやんはね、門の処で待つてるんだよ。ね、お
止
(
よ
)
し、お止し、さあ泣くんぢやないよ。叱られるよね、ね。』
監獄挿話 面会人控所
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
その仕事をして居るのを政府が誉めると云うなら、
先
(
ま
)
ず隣の豆腐屋から誉めて
貰
(
もら
)
わなければならぬ、ソンな事は
一切
(
いっさい
)
止
(
よ
)
しなさいと
云
(
いっ
)
て
断
(
ことわっ
)
たことがある。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
それでもし生徒が文学的の傾向があるなら、それにはラテン、グリーキも十分にやらせて、その代り性に合わない学科でいじめるのは
止
(
よ
)
した方がいい……
アインシュタインの教育観
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
随分迷惑でしたそうですが、然し
止
(
よ
)
せということも出来ないので、御母様も堪えて黙って居らしったそうです。
少年時代
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
雪がせわしく降り出したので出張りを片付けている最後の本屋へ、先刻値を聞いて
止
(
よ
)
した古雑誌を今度はどうしても買おうと決心して自分は入って行った。
泥濘
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
何度
止
(
よ
)
そうと思ったか知れませんけれども、もう一度、あなたに私の平常の乗務振りを見て頂いてからでないと、私はやめるにもやめられなかったのです。
青バスの女
(新字新仮名)
/
辰野九紫
(著)
B——の家から破門された時が一番得意な時代だつたつて言つてたよ。それから其の夢が段々毀れて來たんで、
止
(
よ
)
せば可いのに第二の夢を見始めたんだね。
我等の一団と彼
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
止
常用漢字
小2
部首:⽌
4画
“止”を含む語句
停止
笑止
中止
静止
小止
挙止
踏止
休止
取止
波止場
立止
行止
押止
廃止
制止
駒止
思止
默止
発止
底止
...