命を弄ぶ男ふたり(一幕)いのちをもてあそぶおとこふたり(ひとまく)
人物 眼鏡をかけた男 繃帯をした男 鉄道線路の土手——その下が、材木の置場らしい僅かの空地、黒く湿つた土の、ところどころに、踏み躙られた雑草。 遠くに、シグナルの赤い灯。 どこかに、月が出てゐるのだらう。 眼鏡をかけた男——二十四五ぐらゐに …