『監獄挿話　面会人控所（かんごくそうわ　めんかいにんひかえじょ）』

受附の看守が指した直ぐ向側の『面会人控所』の扉は重く閉されてゐた。龍子は新しい足駄の歯がたゝきにきしむのを気にしながら静かに歩み寄つて其の扉に手をかけた。重い戸が半ば開くと、直ぐ正面に同志のＭの蒼白い顔が見えた。 此の控所は、東京監獄の大玄 …

著者	伊藤野枝
ジャンル	文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出	「改造　第一巻第六号」1919（大正8）年9月1日
文字種別	新字旧仮名
読書目安時間	約46分（500文字/分）
朗読目安時間	約1時間16分（300文字/分）

作品に特徴的な語句

費（ついえ） 小（ちいさ） 為（し） 嘗（か） 彼（あ） 終（しま） 左様（そう） 唸（うめ） 凡（すべ） 止（よ） 緒（いとぐち） 耐（たま） 手巾（ハンカチ） 斯（こ） 真平（まっぴら） 欠伸（あくび） 横風（おうふう） 極（き） 流石（さすが） 染々（しみじみ） 暫（しばら） 漸々（ようよう） 無暗（むやみ） 晦（くら） 焦（じ） 煙管（きせる） 生憎（あいにく） 所謂（いわゆる） 碌（ろく） 稍々（やや） 米琉（よねりゅう） 糺（ただ） 胡座（あぐら） 良人（おっと） 若（も） 角（かく） 這入（はい） 遂々（とうとう） 障（さわ） 頻（しき） 四辺（あたり） 亀戸（かめいど） 了（しま） 仰云（おっしゃ） 何（ど） 何卒（どうぞ） 何方（どちら） 併（しか） 便（たよ） 倨傲（きょごう） 偶（たま） 先（ま） 兎（と） 内儀（かみ） 叮嚀（ていねい） 呑気（のんき） 旗幟（きし） 委（くわ） 嬶（かかあ） 室（へや） 寧（むし） 尖（とが） 屡々（しばしば） 屹度（きっと） 年老（としと） 忌々（いまいま） 恰度（ちょうど） 悄々（しおしお） 悄気（しょげ） 一寸（ちょっと） 投（ほう）