了簡れうけん)” の例文
始め町人になり百姓になり了簡れうけん次第に有附べし併此以後は三人共に音信不通いんしんふつうになし假令たとへ途中などにて出會とも挨拶あいさつも致すまじと約束を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
金時計きんどけいだの金鎖きんぐさりいくつもならべてあるが、これもたゞうつくしいいろ恰好かつかうとして、かれひとみうつだけで、ひたい了簡れうけん誘致いうちするにはいたらなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
當人たうにんをんなにかけてはのつもりで下開山したかいざんした藤吉とうきち一番鎗いちばんやり一番乘いちばんのり一番首いちばんくび功名こうみやうをしてつた了簡れうけん
片しぐれ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
エツ、玉子酒たまござけんだの……しやうがねえな、これはいけねえんだよ、おまへこしらへた痳痺薬しびれぐすりはいつてゐるんだよ。伝「ウム、おくまてめえはおれを殺す了簡れうけんか。 ...
かれより四つ五つ上であつた。学問も出来て老僧の気に入つてゐた。老僧の了簡れうけんでは、それをやさしい涙を含んだ眼の持主の配偶者にしようと思つたらしかつた。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
年季ねんが明るといつて何処へ帰る了簡れうけん、此処はお前さんの家では無いか、このほかに行くところも無からうでは無いか、分らぬ事を言ふ物ではありませぬとしかられて
うつせみ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
左りに握りたい不埒ふらち至極の了簡れうけんお止めなさい/\我輩は謹んで艶福を天にかへしたてまつり少し欲氣よくげに聞ゆれど幸福一方と决定仕りぬ友人中にはそれは惜いお前が女運を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
お前は巳之吉みのきちと夫婦みたいに暮して居るやうだが、そりやお前惡い了簡れうけんだぜ。
かへつて我等に塗付ぬりつけんと當途あてどもなきこと言散し若年ながらも不屆至極ふとゞきしごくかさねて口をつゝしみ給へ若き時より氣を付て惡き了簡れうけん出さるゝな親々達おや/\たちに氣を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
當人たうにんをんなにかけてはのつもりで下開山したかいざん木下藤吉きのしたとうきち一番槍いちばんやり一番乘いちばんのり一番首いちばんくび功名こうみやうをしてつた了簡れうけん
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
昔の人で了簡れうけんせまいから、途方とはうれてすご/\とうちかへり、女房にようばう一伍一什いちぶしじうを話し、此上このうへ夫婦別ふうふわかれをして、七歳なゝつばかりになる女の子を女房にようばうあづけて、くにかへるより仕方しかたがない。
塩原多助旅日記 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
形見かたみおもへば不憫ふびんかぎりのなきに、其方そちこヽろ一つにてれも安堵あんどひめきずもつかず、此處こヽをよく了簡れうけんなし斷念さつぱり退のいれかし、さりながら此後こののちありつきにと包物つヽみものたまはりて、はねど手切てきれの
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
證據にと目にかどたつれば惣内ひざ立直たてなほし名主役の惣内を盜人などとは言語同斷ごんごどうだんなり九助品に依りすぢに因ては了簡れうけん成難なりがたしと聞皆々みな/\四方より九助を取まきたり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
一番首いちばんくび一番乘いちばんのり、ソレ大得意だいとくいときであるからなんとなく了簡れうけんやはらかに、首筋くびすぢもぐにや/\としてをりから、自然しぜんあめさびしくなどはお念佛ねんぶつひとつもとなへるところ
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ハツ/\いえもう貴方あなた、年が年ですから死病しびやうなんでせう。金「おまへさん其様そんな気の弱い事をつちやアいけませぬ、いし獅噛附しがみついてもなほらうと了簡れうけんなくツちやアいけませぬよ。 ...
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
小利口こりこうにきび/\と立𢌞たちまはつて、あさまへからきて、氣輕きがる身輕みがる足輕あしがる相應さうおう、くる/\とよくはたらうへはや江戸えどみづみて、早速さつそく情婦いろひとつと了簡れうけんから
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そつかくして出てくのを主人が見て、アハヽこれが子供の了簡れうけんだな、人が見たらかへるとは面白おもしろい、一ツあの牡丹餅ぼたもちを引き出して、かへるいきたのをれておいたら小僧こぞうかへつておどろくだらうと
日本の小僧 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
其處そこちまして、手前てまへ了簡れうけんで、なんと、今年ことしひとつ、おもむきをかへて、おさけ頂戴ちやうだいしながら、各々めい/\國々くに/″\はなし土地とちところ物語ものがたりふのをしめやかにしようではあるまいか。
片しぐれ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
東京とうきやうて、京都きやうと藝妓げいこに、石山寺いしやまでらほたるおくられて、其處等そこら露草つゆぐささがして歩行あるいて、朝晩あさばん井戸ゐどみづきりくと了簡れうけんだとちがふんです……矢張やつぱ故郷ふるさとことわすれた所爲せゐ
月夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
小利口こりこうにきび/\と立𢌞たちまはる、あさまへからきて、氣輕きがる身輕みがる足輕あしがる相應さうおう、くる/\とよくはたらうへはや江戸えどみづみて早速さつそく情婦いろひとつと了簡れうけんから、たか鼻柱はなばしらから手足てあしつめまで
片しぐれ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)