“木組”の読み方と例文
読み方割合
きぐみ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
うつったものは乾燥かんそうされたワラであるし、屋根やねうらの高い小屋の木組きぐみは、一しゅんにして燃えあがるべくおあつらえにできている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あらゆる社会の問題はその疑問点をこの首切り刃のまわりに置く。断頭台は一の幻影である。それは一個の木組きぐみではない、一個の機械ではない、木材と鉄と綱とで作られた無生の仕掛けではない。
低いうつろな笑い声のようなものが、聞えたと思った。私は思わずふり返った。壕を支えた木組きぐみによりかかって、背の高い吉良兵曹長の顔は、ろうのように血の気を失い、仮面に似た無表情であった。
桜島 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)