鼓声こせい)” の例文
天地をゆるがす喊声かんせいとともに胡兵こへいは山下に殺到した。胡兵の先登せんとうが二十歩の距離に迫ったとき、それまで鳴りをしずめていた漢の陣営からはじめて鼓声こせいが響く。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
衆およそ三万五千、馬匹ばひつ千三百、旌旗せいき天をおおい、鼓声こせい地に震う。一藩の政、その利害の及ぶ所小、故にややもすれば改革行われやすし。一天下の政、その利害の及ぶ所大、故に較れば行われ難し。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
ときの声は、天地をつつみ、鼓声こせいはみだれ、山川もうごくかと思われた。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すると突如、山がふるい鳴った。鼓声こせいときの声である。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)