鷺山さぎやま)” の例文
そして弥平治には父、十兵衛には叔父にあたる明智光安入道あけちみつやすにゅうどうといえば——これは鷺山さぎやま山城守道三やましろのかみどうさん方の腹心で、義龍廃嫡はいちゃくの急先鋒であった。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
義竜は弘治こうじ二年の春、庶腹しょふくの兄弟喜平次きへいじ孫四郎まごしろうの二人を殺し、続いて父道三どうさん鷺山さぎやまたたこうて父をほろぼしてからは、美濃みのの守護として得意の絶頂に立っていたが
赤い土の壺 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「光春様も、十兵衛様には、心服しておられるので、お指図どおりに、すぐ肚をきめて、早馬で鷺山さぎやまのお城へすぐ駈けつけて行かれました」
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
寄手よせては、稲葉山の斎藤義龍さいとうよしたつの兵だった。道三秀龍どうさんひでたつの居城鷺山さぎやまおとして、道三の首を長良川へ斬って捨てた余勢の軍が、ここへ殺到したものである。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やがて鷺山さぎやま一円では、密かに、出兵の備えらしく、ただならぬ様子が見えたに依って、御城下に火の手が揚っては、もはや大事と、駒を急がせて、戻って来た。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(はや、山城入道様の軍は、合戦にお負けなされ、鷺山さぎやまの城へも、火がかけられました)
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鷺山さぎやまのお城を出られて、長柄中瀬ながえなかせのほとりに義龍よしたつの軍を迎え、おとといからの激戦にござりましたが、遂に、義龍の部下、小牧道家こまきみちいえのために、おしるしを掻かれ、義龍はそのおしるしを見ると、——乃翁だいおう
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)