鶴首つるくび)” の例文
午後の二時ごろには、彼らのテーブルには空壜あきびんがいっぱい並んでいた。二本の蝋燭ろうそくが、一本は全部緑色の銅の燭台に、一本は欠けた壜の鶴首つるくびにささっていた。
初めて、人々の眼は、むしろの中央にある一脚の経机にそそがれた。小さい鶴首つるくびの銅花瓶に、一枝の黄な野菊が挿してあった。それが単なる意味の菊でないことに漸く気がついたのである。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三 やりガ岳の鶴首つるくびと鶏
残雪の幻像 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)